「あれ?あの人終わったの?」
搭子が、“生徒会長候補”と書かれた、たすきをかけている人を指差しながらいった。
そうわかった理由は、副会長候補の人が喋り出したから。
「えっと、僕はこんなに偉い人じゃないので台から降りて話したいと思います。」
はっきり言って意味不明だった。どうせ演説なんて誰も聞いてないんだからって思った。だけど何でかな?あの人から、目が離せなくなったんだ。
「ね、雪乃聞いてる?」
あの人の事が気になりすぎて、搭子の声が聞こえなくなるくらいだった。