昨日なんて忘れてしまおう。

床に散らばった食器の残骸をそっとつまんだ。

ちくり、と指先に鋭い痛みが生まれて、赤い血がにじむ。

暗い部屋の中で、その赤だけは奇妙なほど目に強く映った。


生きている。

痛みを感じ取った私は生きている。


なぜ生きている?