『おい、どういうことだ。今どこにいんだお前。』



俺は動揺をうまく隠しながら
ヒデに言葉を投げつけた。


ヒデ「……今、倉庫にいる。」


『その女もか!?』


“倉庫”というキーワードに
さっきまで隠していた
動揺を露わにして言う。


ヒデ「………ゴメン。劉、女嫌いなのに…」


《ゴメン》という言葉で
俺は女がどういう状態なのか
知らないまま


『その女を倉庫から追い出せ。どうせお前の容姿に見とれてついてきたんだろ。』


俺はいつもの事だろうと
勝手に決めつけていつものように
“追い出せ”って言った。
だが、いつも俺の言葉に従うヒデは


ヒデ「………追い出せない。この女は…」


と言い放った。



『おい、お前その女に惚れたのかよ!?』


いつもとは違うヒデ。
なにかがおかしい。
ヒデだって女嫌いなのに


俺ぐらいまでとはいかないがな。


ヒデ「……惚れるわけない。この女…何もかもが変なんだ。」



『どういう意味だ?』