この仕事は自分に合っていると思う。

パソコンと本に
少しだけ詳しければ大丈夫。

カウンターに座りっぱなしの貸出作業ばっかりではなく、
こう見えてけっこう体力を使う。

新刊本の整備、
破損した本の装丁の修繕、
それから、残りの時間は、
返本、返本、返本。

戻ってきた大量の本を、
所定の本棚にひたすら戻す。

これが、大変なのだ。

晩秋だって、汗をかく。




ああ、もう!



うるさいな。



学校帰りの小学生が数人で騒いでいる。



注意しないと、上司に怒られる。



どうしよう。



黙りなさい…。



ああ、他のお客さんが怪訝そうな
顔をしてる。


私は、ちらちらと後ろを気にしながら、
返本作業を続けていた。