四季。姉の戻らない秋





深呼吸1つぶんの間の後、お父さんらしいね。とわたしは言った。


学生ライフを終了してやりたいことも、やりたいことを見つける気もなくて、通っていたショッピングモールの服屋がアルバイトの募集をしていたから、そこで雇ってもらうことにしていた。


初めての仕事に戸惑いはあったけれど業務も人と話すのもそれなりに楽しくて、コーディネートを相談する側からされる側にまわり、それはそれで見えてくるものがあった。


新しい環境に身を埋めても絶えない悪夢を無視して、わたしは笑っていた。

父と母の口元が弧を描くのを見て安心していた。

安心させてほしかった。


姉が死んで2度目のお盆に行ったお墓参り。

わたし達のものではない花が姉の墓に添えられていた。


『カモミール…またあるね』