とりあえずOKを出すと、嬉しそうな泣きそうな、そんな顔をしていた。
「あたし、渕上莉奈って言います」
自己紹介から始まった付き合い。
莉奈は二つ上の大学生だったけど、何の不安もなかった。
俺達の付き合いは、それから順調に進んでいった。
――“順調”なんて思っていたのは、俺だけだったけれど。
全てが崩れたのは、高三の秋。
付き合い始めて三ヶ月くらい過ぎたころに、それは起こった。
人気のない、静かな公園内。
「…あたしを、亮佑くんのモノにして」
そう言って絡む莉奈の腕を、振り払う理由なんてなかった。

