「大丈夫か?」 「あ…はい、すみません」 支えられていた体をサッと引く。 初対面の人になんてこと…。 そう思っていると、あたしの横を通り過ぎ当たり前のように中に入っていく。 「え!?ちょっ…」 待って、と男の人の前で両手を広げ相手の動きを止める。 「何?抱きしめた方がいいの?」 あたしより先に発された言葉に唖然とする。 「違います!勝手に入らないでください!」 「は?話聞いてねぇの?」 「いや…聞きましたけど、さっき聞いたばっかりで―…」