翌朝、意外にもスッキリと起きられた。 葉月の胸を借りて、ひとしきり泣いた昨日の夜。 ずっと話を聞いてくれてた葉月のおかげで落ち着きを取り戻したあたし。 たくさん泣いた分、よく眠れた。 「おはよう、葉月」 「奈緒…平気?」 「うん、大丈夫。昨日はありがとう」 こうやって笑うあたしが平気じゃないことも葉月はきっと察してる。 それでも触れないでいていつも背中を押してくれるところは、葉月も隆哉も同じだった。