でも、同居をやめてから付き合いだしたのかも。 …なんてことを考えれば、また視界が滲む。 ほんとは、彼女なんていてほしくなかった。 だから“今彼女がいる”という可能性を自分の中で勝手に消していたんだ。 こうなって傷付くのは、自分なのに。 そのまま真っすぐ家に帰ると、潤さんの家に行く準備を進める葉月が目に入る。 「奈緒ー!おかえ、り…」 あたしを見るなり目を見開いて、すごいスピードで駆け寄ってくる葉月。