そういって葉月は、下を向くあたしに何か書かれた紙を差し出す。 チラッと見てみると、なんだか見慣れた住所と社名。 「…え!?」 …ていうか“ここで働いてるから”って なんで知ってるの!? 「ちょ、待って…え!?」 「奈緒、落ち着いて」 笑いながら話しはじめる葉月。 「職場は潤に聞いたの。遅くなってごめんね?」 首を傾げて、あたしの顔を覗きこんでくる葉月を見て首を横に振る。