じゃあと言い、扉を引く。 ―バタンッ すると大きな音を立て、再び閉まった扉。 扉を前にしたあたしの顔の横には、扉を押さえるように両手があった。 「え…」 すぐ後ろに感じる体温。 それは、他の誰でもない亮佑さんのものだった。 「無防備すぎるよ、奈緒」 「え…?」 「男の部屋に一人で来るなんて、意味わかってる?それとも狙ってる?」 「な、何言って…―っ!」