「事情はよくわかんねぇけど、あっち出てきたの?」 「…はい」 「潤のこと、信じてやれよ」 「何か知ってるんですか…?」 「いや。友達としての俺から言えること」 俯いてしまった葉月を見て、冷蔵庫から取り出したビールを飲みながら続ける。 「とりあえず、距離置くってこと?」 「…今は顔見たくないんで」 「そう。じゃあ、出てけってこと?」 少し気まずそうにする葉月に「明日まで待って」と言い残し、部屋に戻っていった。