「無視すんなよな。てかムキになんなって」 笑いながらそう言ってあたしの頭に置こうとした手を避ける。 「…馬鹿にしないで」 「してねぇよ」 後ろを通り過ぎキッチンから出た亮佑さんは再びソファーに座り、煙草を吸いはじめた。 途端、あからさまに嫌な顔をしてしまうあたし。 煙草の匂いは…苦手。 軽くため息をつき洗い物を続ける。 「煙草、嫌い?」 かけられた言葉に、顔をあげ小さく頷く。