「え、引っ越す?」 「そう、ちょっと離れたとこだけど」 結婚して一ヶ月。 突然の亮佑の提案は、意外なものだった。 付き合うことになって結婚するまでの約一年半は 元々は葉月と暮らしていた家を、リフォームして二人で暮らしていた。 「いきなり、どうして?」 「んー?何て言うか…」 少し言いにくそうにしてる亮佑の顔を覗き込む。 「何?」 「いや、…忘れて」 そう言ってそっぽを向く。