なんかもう、疑問を抱いたらキリなさそう。 半ば諦めたあたしは、洗い物をするためキッチンに入った。 「なぁ」 いつの間にかあたしの隣に来て声をかけてきた男の人に驚く。 「な、何ですか?」 「名前。名前なんて言うの?」 あたしより上にある目があたしを捉える。 「…田崎…奈緒です」 「奈緒っていうんだ。俺は亮佑、よろしく」 軽く頭を下げ、洗い物を続ける。