はぁ…女の気持ちてよくわかんねぇー…

里依奈、何で泣いてたんだ?

俺じゃ相談相手になれないか?

気付けば里依奈の事しか考えてない、俺

「はぁ…俺ってば里依奈が好きなのかな」

ありえねぇ

つか、ねぇーわ。

俺はあんなおバカ好きではないわ!!

―プルルル

携帯が鳴っている。

サブディスプレイには、“恭弥”の文字。

「もしもし?」

『もしもっしー。りょうたん、今暇?』

恭弥は、上杉恭弥(ウエスギ キョウヤ)、同級生でチャラ男。だけど見かけによらず成績は次席。

「ん、どした?」

『暇ならさぁー、ある女の子に勉強教えてやってくんない?』

「お前がすれば、良くね?」

『俺、勉強は出来ても教える方は無理なんだよね』

「はぁ…」

『だから、教えてやってくんない?』

「分かったよ、お前の願いならしないとな」

『ありがとな!後でご褒美あげる。じゃ、よろしく。』

「ん。何時にどこ行けば良い」

『19時に駅で』

「了解」

この時の俺はこの約束がのちに面倒な事を、引き起こすとは思ってもいなかった