あれから、10分たった今、霞花浦とあたしの手は一向に離れる様子がない
てか、あともうちょっとで、家に着いちゃう…
霞花浦のお母さん、瑠奈さんや霞花浦のお父さん、京也さん達に誤解されたくない。
2人は、あたしと霞花浦が結婚すれば良いと思ってるみたい。
「あ、あの。霞花浦クン?」
「ん?何だよ。てか、お前がクン付けで俺の名前呼ぶとか、なんかキモイ」
「はぁ?一言多いしっ!!ばかすがうら!てか、このままじゃ、瑠奈さん達に驚かれると思うん…?!」
霞花浦がいきなりあたしを抱き寄せた。
「え?は?!な。何?!」
「俺、お前が好きだ。」
「う、嘘」
「嘘だよ。ぶはっ」
霞花浦が爆笑しだした…
「あたしをからかっておいて、このままで済むと思ってるのかなぁ…?か・す・が・う・ら・く・ん♡?」
「すまんて、すまん」
「まぁ、いっかー。今度からかったら、許さないからねぇー」
霞花浦がまたふいた
「ぶはっ。やっぱ、お前おもしろいな」
や、あたし、Mじゃないんですけどー・・・
「あ、そういや、お前って俺ほどじゃねぇーけど、意外とモテるんだな」
「あんたほどじゃなくて、悪うございましたぁ!」
と吐き捨てて家に向かって走った。
扉をガチャンと閉める。
「あら、里衣奈おかえり」
京也さん(霞花浦)が声をかけてくれた。
「ただいま、京也さん」
「紗代子さんと、瑠奈はリビングだよ」
紗代子さんは、あたしの叔母さん。
最近、知った。あたしを引き取りたいらしい。
でも、霞花浦家は反対で、時々、紗代子さんが家に来て話し合ってるらしいの。
「ありがとう!」
あたし、話し合いに行かなきゃ!
