最悪だぁ…
なんで初日から授業があるのぉ〜泣
しかも一番苦手な数学だし…
「ここ分かる人ー?はい、春山」
「〜〜〜です」
「正解!」
嘘ぉ〜⁉
全然わかんなかった…
顔もいいし頭いいし礼儀正しいし…
きっとすごいお金持ちでたくさんの家庭教師に囲まれて、ちゃんとした教育を受けてきたんだろうなぁ…
「南波、聞いてるのか?ここ、解いてみろ」
私が春山くんにまたもや見惚れていると、先生に当てられた
(うわぁぁ…全然わかんないよぉ…)
「〜〜です」
私がうつむいていると、春山くんがさらりと答えた
「春山じゃなくて、南波に聞いているんだぞ⁉」
「あっ、そうだったんですか⁉俺かと思ってました」
どっとクラスに笑いが起きた
春山くんは照れくさそうにして、みんなの笑いがおさまると私の方を見てウィンクをした
(やばいぃぃ❤優しすぎるよ)
私はこの瞬間、恋に落ちた
授業の終わりを告げるチャイムがなった
私は一刻も早く、今さっき起きた事(ウィンク殺人事件)を梨佳に報告したくて、梨佳のいる8組へと走った
「美玲!」
「りりりりかかかかぁぁぁ!!!やばいんだよあの天使!私を目で殺す気か!」
私は梨佳に、教室に入った瞬間から今さっきのウィンクまでの話を事細かく話した
「まじで⁉よかったじゃん美玲!ま、私は礼保一筋だけどね♫」
梨佳には、中一からずっと付き合っている彼氏がいる
私と梨佳は雑談をし、次の授業開始のチャイムぎりぎりに自分のクラスへと戻った
あっと言う間に放課後になり、まだ部活をやっていない一年生は下校となった
梨佳は、近くの高校に通う彼氏と一緒に帰るらしく、私は梨佳に別れを告げて一人で駅に向かった
(あれ?あの明るい金髪…春山くん??)
私の少し前に、男らしく歩く春山くんがいた
(そうだ!さっきの数学のお礼言おっ!)
「春山くーん!」
さっきと同じ、優しい笑顔だった
「南波さん…だよね?どうしたの?」
えっ…
私の名前、覚えててくれたんだ!
「いや、その…数学の時、ありがとうございました‼」
「あぁ、あれね!南波さん、俺に見惚れてたでしょ」
