「さ、寒い。」
あー、お汁粉が身に染みる。
近くの自動販売機でお汁粉を買った。さすがにぜんざいは置いてなかった。
「来ないなー。」
と言うか今、何時なんだろ?ちぃちゃんの電話の後少ししたら、電源が切れてしまった。
やっぱり、スマホは不便だ。
あー、寒い。廉来ないなー。もう、来ないのかもしれない。
ハ、ハックショーン。
風邪ひいたかも…。
「文音!!」
「廉?」
腕を勢いよくひかれ、いつの間にか廉の腕の中にいた。
「バカ文音。電話したんだから出ろよ!」
怒っているのに優しく私を抱きしめる。
「電源が切れて…。
でも、廉が来てくれてうれしい。」
廉が来てくれた。
「廉?」
「何?」
「私のこと好き?彩音さんと重ねてないよね?あと、なんで怒ってるの?わ、私…」
なんたが涙が出てきてしまった。
廉の腕が私を離した。
私の肩を持って、目を合わせてきた。
「やっと、俺の前だけで涙をみせた。」
廉は嬉しそうに笑った。
「わ、私泣いてるんだけど」
「俺は、文音が好きだよ。彩音となんて重ねてない」
頭をグシャグシャと触った。
「私も好き」
