もう、あきらめてたのに。


声なんか、出なくてもいい。
困ることなんてない。


って思ってたのに。



今の一言で、こんなにも
声がほしくなるなんて。



「じゃ、ばいばい」


どうしてだろう。


そう思いながら
雨の中をかけていく駆怜くんの
背中を見えなくなるまで
見つめていた...