すると、夕太が私のことをグイっと引っ張った。

「うわぁ・・・」

私はバランスを崩しかけたところを、夕太がすっと手を出してバランスを整えてくれた。

「おい、水城!今日は走れば間に合うぞ!」

すると水城は手を振った。

まるでバイバイって感じに見えるように。

すると夕太は静かに溜息をついて、そのまま走り始めた。

「夕太ちゃん、水城君は?」

すると夕太は私の頭に手をおいて、こういった。

「あいつはゆっくり行くってさ。全く」

夕太は私の手を強く握り返してくれた。

それからサッカ―部の仲間の橋本君、それに科学部にいる樹君、授業さぼり魔の濫晶君も一緒に走っていた。

結局、全員遅刻で、私も夕太も放課後に教室の掃除をやらされていた。