音もない

空気の澄んだ場所で

聞こえたのは

「何やってんの?」

男…?

「…?」

「あ、お前東病院抜けてきたろ!」

「うん」

「俺の親父あそこの医者なんだぜ笑」

「そうなんだ」

「…なんだお前…?」

「私は神村七海」

「な、なんか不気味だな」

「あなたは?」

「ん?…あぁ、名前ね。佐伯竜真。竜真でいいよ」

「…さえき…た…つま…」

「…お前記憶喪失か。大丈夫か?病院抜けて。」

「あそこ私の悪口しか言わない」

「まぁな。あそこはあまり評判良くないし」

「…カナシイ…この…感情…?」

「…相当ショックだったんだな。あ!そうだ、七海、いいとこ連れて行ってやる!」

「え…?」

「ほら!早く来いって!」

グイッ