猫の行方



裏の方に来たけど……
いなさそうだね。


表に行ってみよ。


てか、自転車どこに止めよ…
ほんとは駄目だけどお店の前に置くか…



~♪


『もしもし』


「もしもし? どうしたの?」


『亜琉美、服何色?』


「青色だよ?」


『マジ? ならさっき見たよ? 』


「うそ!?」


『えっ、店の前に自転車置いてなかった?』


「うん! 置いてたよ!」


『だよな! どこに向かってんの?』


「えっ、寺田町駅……」


『あー。 そっちじゃない。 戻ってきて。』


「はーい!」


私は表の寺田町駅に向かってる途中に足を止め、裏の方に向かった。


「どこにいるの?」


『駅の前だよ。』


裏の駅に近づくにつれて、それらしき人が見えた。


『あっ、 見つけた。分かるか? 今手ふってるよ!』


確かに誰かが手を振っている。


「あっ、 見えたよ!」



その途中にライン電話が切れた。