「はい? ……聞こえませんでした。もう一回言ってください。」 そう、なぎさ。 さっき聞こえたことは幻聴なんだ、幻聴。 「だから……、 橘 なぎさ(たちばな なぎさ)。 お前を俺らの世話係に任命する。」 そう綺麗に笑う“目の前”の奴に何故かとてつもなく殺意が芽生えた。 「世話係」それは、この学校……いやこの街の“やつら”を知っている女の子ならほぼ全員と言っていいほどなりたい役職。