私は目の前にいる男の顔を見る。

暗闇で若干顔が見えにくいが、整った顔立ちをしている。

俗にいうイケメンだろう。

髪の毛は暗闇と同じ黒で、身長は180cmくらいはある気がする。

独特なオーラを放つ彼は、私が生きてきた中で初めて出会うようなタイプだと思う。

なぁんて、彼のことを観察していると

「おい。」

ともう1度声をかけられた。

「なんでしょう」

と声を返すと

「そこさ、俺のお気に入りの場所で俺も座りたいんだ。

だから少しよけてもらえるか?」

と予想もしていなかった言葉を言われる。

「あ、はい、どーぞ」

「…ありがとう。」