「おはよう价くん!」


「あぁ、おはよう…」


いつも通りの朝、いつも通りの日常。
イレギュラーな存在はもういなくなった。
私は笑顔でこの清々しい朝を送った。


「じゃあまた放課後にね!」


「あぁ…」


爽やかな微笑をたたえる价くんと昇降口で別れると、軽やかな足取りで教室へと向かった。


「あ、凛ちゃんおはよう!」


「あら、おはよう」


教室へ入って話しかけてきたのは水野美咲。
クラスによくいる人気者。みんなから好かれている。
誰にでも笑顔で話しかける“良い人“
私が嫌いな人。


「何か用事でも?」


「ううん!挨拶したかっただけだよ!じゃあね!」


そう言って教室の奥で固まっていた女子のグループへと入っていった。
何がしたいのかよくわからなかったけど、仲良くする気なんて毛頭ないのだが。