お湯に浸かるとふぅ、と一息。
そして今日あったことを思い返す。
不意に价くんの少し嬉しそうな顔が甦る。


その顔に少し嫉妬したけどすぐにその気持ちもなくなる。
あいつはいなくなった。
价くんは私だけの价くん…


そう思い、ふと考える。



もしかしてあの女以外にも、价くんのことを狙っているやつがいるんじゃないか?


確かに价くんはカッコいいし、誰にでも優しくて人当たりもいいから、みんなから好かれてるだろう。
だが、身の程をわきまえないバカな女がまた私の价くんに告白したりするかもしれない。


そうしたらどうなるだろう。
价くんが私以外に目を向けるようになって、价くんの隣に私以外の女がいる。
そんなのは絶対に許せない。


价くんが変な女に連れて行かれないように、私がちゃんと守ってあげなくちゃ。
私はそう心に誓うと、浴槽から立ち上がった。