『兄さま~ユウナが参りました!』


やっぱりユウナだ…
あの声と兄さま呼びは間違いない。
あのまま何もしないでくれるといいけど…


『兄さま~どこですか兄さま~』
『あの…』


え!話しかけちゃう!?
そんなことしないでよ幼馴染みの子!!!


『わぁ!ビックリした!』


気づいてなかったの!?
無視してるんじゃなかったのかいユウナ!!


そうやってテンション高めでノリツッコミを繰り返していた。


そういえば、ずっと幼馴染みの子って呼んでたけど…


「あの子の名前ってなんていうんだろう…」


すっかり聞きそびれてた。
うーん…どうしようかな…


「そうだ!あの人の血縁者だから…」

『わかりました!ありがとうございます!!』


いきなり大きな声と何かの破壊音が聴こえてきた。
まずい!いつまでもここにいたらすぐに捕まる!!!
今いる場所は死んじゃった子の家から50kmほど離れたところ。
多分ユウナのことだ。留まってたらすぐに見つかるだろう。


「じゃあね。リスア様」


血縁者。ううん、絶対に娘だね。
だってそっくりだもん。
ボクは昔消えた悪魔界の王女の名前を笑顔で呟いた。