数秒間はボーっとしてたけど、幼馴染みの子がこっちを見ていることに気づいて慌てて笑顔を作った。
まぁ、遅いとは思うけどね…


てか、こんなことしてる場合じゃないね!
ユウナのスピードだったらあと1分もしないで来るだろう。
それまでに逃げないと…!


「じゃ…じゃあボク用事があるから行くね!あ、この子が関係する記憶は消しとくね!」


死んでいる子をチラッと確認して魔法を使うと跡形もなく消えた。
これで幼馴染みの子とボクしか、あの死んじゃったこの子とは知らないことになった。
そういえばほとんど早口だったけど、ちゃんと伝わったかな?


てかヤバい…!
もう行かないと本当に見つかる…!


「そういえばアンタ名前は?」
「え?名前!?ボクはユウだよ!」


こんなに急いでるのにいきなりなに聞いてんだよ!
名前なんてどうでもいいよ!
って思ったけど、ちゃんと答えてあげた。
まぁ、早口だったけど。


「それじゃあね!」


それだけ言って、最後に笑みを浮かべるとボクはそこから逃げ出した。