「いたぞ!盗んだ奴だ!」


声のした方に振り向くと、天使たちが5~6人いた。
せっかく暇潰ししてたのにさ~…


「さぁ!【天の魅鏡】を返してもらおう!」


一人の天使がそう言った。
へぇ~この鏡にそんな名前があるんだ。


「え~やだよ。せっかく暇潰しの道具を見つけたのに。それに盗んだんじゃなくて借りたんだよ」


「うるさい!さっさと返せ!」


別の天使が語気を荒げながら叫んだ。
手には天使の武器の真っ白い銃が握られている。


「大人しく返さないのなら…力ずくだ!」


その言葉の直後、一斉にボクに銃が構えられた。


「君たちさ。ボクと戦う気なのかな?」


いつも通りのニヤニヤ笑いを浮かべて問う。


「まぁ、暇潰しにはなるかな~?こんな弱い奴等でも」


そう結論付けて、ボクは銃から玉が放たれた瞬間、飛んだ。


「少しは楽しませてね♪」


そう言ってボクはボクの愛用の漆黒の鎌を取り出して、ニコッと笑った。


「う…あ。うわあああああ!!!!」


刈り取る。刈り取る。
飛んで、跳ねて、命を刈り取る。
聞こえる阿鼻叫喚の声。飛び散る血渋き。