「へぇ~面白いねぇこの道具!」


少し興奮したように言って、ボクはニヤッと笑った。

今、天界から借りてきた(盗んだ)鏡で人間界の様子を観察してるんだけど…


「けど、便利だな~これ」


その場に行かなくても人間界の様子が見れるし。
多分これを見て、人間たちを助けに行ってたりしてたんだろうなぁ。

しかし、この鏡を盗まれること考えなかったのかな?
あんな、分かりやすすぎる大広間のど真ん中にドーンと置いちゃって。


「ま、便利だし借りとこ、5年くらい」


暇潰しも出来るし~と鏡に写る、恋人の喧嘩を見ながら呟く。

女の子の方のフルスイングのビンタを見て爆笑してたけど、さすがに飽きてきたから別の場面に切り替えてみた。


「ん~…じゃあ、これ!」


『私!ずっとあなたのことが…大翔くんのことが好きだったんです!』


変えた途端に、女の子の声が響いた。
告白…かな?


『あの子と付き合うの?』


別の女の子の声。
えっと、こっちは…男の子の幼馴染みらしい。

どうやら、男の子に告白して、それを幼馴染みの子に聞かれちゃったらしい。
ちょっと面白そうな予感♪
特にこっちの幼馴染みの方の女の子。
なんか見覚えあるし~


「ちょっと探らせてもらおうか」


心を読む魔法を使った。
多分、今ボクの目は赤くなってるはず。
その目で幼馴染みの方の女の子をじっと見る。

しばらくしてからニヤッと笑った。


「楽しいことになりそうだね~♪」