さてと…私はこれからどうしようか…
そう思いながら振り返ると、女の死体が消えていた。


あれ?っと思ったけど、すぐにユウが言っていたことを思い出した。


「記憶を消すってことは、その存在も消えるってことね」




ガッシャァァァァァァァァァァァァン!!!!





「!?」


一人で納得していたところに、窓を突き破ってなにかが入ってきた。


ガラスの破片と土煙が舞い上がり、一瞬視界がゼロになる。
目にほこりが入って、思わず目を瞑った。
ようやく見えるようになると、土煙も晴れ、入ってきたものが見えてきた。


「兄さま~!ユウナが参りました!」


そこにいたのは、ピンク色の髪をツインテールにした女の子だった。


「兄さま~!どこですか兄さま~!」
「あの…」


一応、話しかけてみる。
さっきからの発言と、ユウナって名前を聞いた限り、この子はユウの妹なんだろう。
話しかけても危害は加えないはず。


「わぁ!びっくりした!」


素で驚かれた。
…さっきからここにいたのに。
ちょっとショック…



「って!そんなことより!!私の兄さま知りませんか!?」


勢いよく捲し立てる彼女。
目はかなり血走ってるし…


「一応確認しとくけど、兄さまってユウのこと?」
「はい!あの金髪でいつもニヤニヤ笑いでとってもカッコいい兄さまです!!!」


多分、これが世に言うブラコンというものなんだろう。



「ユウならどこかに飛んでったよ…」
「わかりました!ありがとうございます!!」


聞くだけ聞くと、もう用はないとでもいうように身を翻して、入ってきたのとは違う別の窓を突き破って、高速でユウを探しにいった。