「さ、今日は寒いからもう帰ろうか。叶愛」

「……」

「叶愛?」

「え? あ、ごめん。ぼーっとしてた」


そうだ、私叶愛なんだ。
忘れてた。


「まったく、叶愛は」


ハハハと笑う瑠衣。
さっきまでの絶望的な表情とは大違い。


「さ、帰ろ。送ってくよ」

「う、うん」


これ、叶愛の家に行くのかな?
行ったらどうしよう。
叶愛には悪いけど、泊めてもらおうかな……