あの子じゃなくて私を見て


赤信号。
イライラが募る中、新たなメール。


【件名】無題

【本文】ロータス公園にいる。
今から出てこれる?


「もう出てるっての!!」


独り言を言いながら、返信も何もせずに、公園に向かった。


「瑠衣!!」

「ほたる……?」


瑠衣は、公園のブランコで揺られていた。


「来てくれたんだ」

「当たり前でしょ?」

「俺、女々しいよな。フラれただけなのに、ほたるよんじゃって」

「そんなことないよ。今凄い辛いんでしょ?」

「ほたるって、なんでもお見通しなんだな」


瑠衣は私に見えないように、声も出さずに泣いていた。