桐沢はあたしの手を握ったまま、あたしの箒を探し当てた。 「行くぞ。」 箒は桐沢の手の中だし、もうどうにもなんないかな…。 仕方ない。 自分でまいた種だ。 あたしは重い足を動かして、箒置き場を出た。 学校の門に着くまで、桐沢が腕を開放してくれることはなかった。