でも、 「えっと……嫌、です。」 うん、嫌だよね。 いくらドキッとしてしまったとはいえ、ね。 あたし、桐沢のファンじゃないし。 乗せる理由もない。 正直に答え、桐沢から逃げたいという欲望のもと 「ってことで、サヨナラ!」 と、走り去ろうとするが、もちろん桐沢がいらっしゃるワケで。 「俺が逃がすとでも思ってんの?」 腕を掴まれ、逃げられない。