適当な自己紹介を済ました担任の川北先生は、そう言い残すと直ぐに教室を出て行った。 「菜々瀬ちゃーん!行こう?」 「あ、寿々花ちゃん!えっと、行こっか。」 まだ慣れない友達にぎこちない返事をしながらも体育館まで歩き出した。 「…ってかさ、私のこと呼び捨てでいいよ?」 「へ?」 「だーかーら、寿々花でいいってば!」 「す、寿々花?」 「うん!菜々瀬」 寿々花ちゃ…寿々花はそう言って微笑んだ。