―8年前―

受験生になった中学3年生。

「いってきます!」

急いで家を出る。

(やばい。遅刻するかも。)

ひたすら走る。

走っていたら目の前で自転車がとまった。

「ちょっと危ないじゃない!」

「ごめん、ごめん。」

「あ、祥太。」

その自転車に乗っていたのは幼なじみの川井祥太(かわいしょうた)だった。

「おまえ、遅刻するぞ。新学期そうそう寝坊か!」

「う、うるさいわね。寝れなかったんだよ。」

いつも祥太はわかってしまう。

「まあ、いい。後ろ乗れよ。」

祥太は自転車から降りた。

「え、いいです。」

「ふーん。遅刻してもいいんだ~」

「・・・もー!乗ります!」

祥太の自転車の後ろに乗った。

「へいへい。行くぜ。」

祥太は自転車を漕ぎ始めた。

ふと、祥太を見た。

いつの間にか体が大きく、私より背が高くなっていた。

家が隣で親同士が仲良くて生まれた時からずっと遊んできた。

今まで私の方が背が高くて馬鹿にしてたけど、もうできない。

思わず笑ってしまった。

「なに笑ってんだよ。」

「ううん。なんでもない!」

「やべーな。間に合わないかも。スピード上げるぞ。」

さらにスピードをあげ学校へと向かった。

学校に着き、急いで教室に向かう。

「遅れてすいませーん。」
「遅れました!」

クラスのみんながいっせいにこっちを見る。

席に座ったら

「由希おはよー!」

「美紀おはよ!」

佐藤美紀(さとうみき)。美紀は小学校からずっと一緒の親友。

「ねぇ、転入生の紹介するよ!」

黒板の方を見ると男子1人、女子1人が並んでいた。