────── ─────────── 「両腕が消えちゃってさ、これ見つけたとき、必死で口に入れたんだ」 耳のピアスを指して言うと愛は笑った。 「だから、目が覚めたとき口から吐き出したんだ。 びっくりしたよあの時」 「だって、一番大切なものが次元を行き来するパスポート、だろ?」 なぜか分からない。 俺には不思議な力がある。 次元を超えることができるんだ。 まあ、その力を使ったのは今回が初めてなんだけど。 …戻ってこれて良かった。