息子の耳には、相変わらず愛ちゃんからのプレゼントが …あたしが海に投げたピアスが、きらきらと輝いてる。 「行ってらっしゃい」 「行ってきまーす」 ぞんざいに手を振って行こうとする息子に 私は声をかけた。 「未来!」 「んー?」 「…ありがとう」 じっと見つめる私に、未来はしばらく無言で私を見返した。 数秒後。 「お礼なら物で返して」 何よ、可愛くない。 あの時と同じ言葉を、今度は内心に留め 息子を見送った。