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私は、体育座りの姿勢で海を眺めていた。


あれからどれ程の時間が経過したんだろう。





心にぽっかり穴が空いてしまったような気分に駈られる。
涙はとっくに乾いていた。






「野ばら」



不意に、大好きだった声に呼ばれ
あたしは驚いて後ろを向いた。



「悠成…」