海を見つめたまま、未来が口を開く。 「今日、何で俺が野ばらを誘ったと思う?」 「…分かんない」 私と行きたかったから、なんて期待しかない。 そうであってほしい。 違うの? 未来はきっと、私の無言の問いかけに気づいているはず。 だからこそ、未来の口から続いた言葉は余計に不可解で不愉快だった。 「本当は今日、野ばらは違うやつと海に行くはずだったから」