「ごめん!大会が近いんだよ」
「それは知ってるけど、今日は空いてるっていうから楽しみにしてたのに…」
子どもな私は、こんな風に拗ねることしかできない。
悠成が部活を一生懸命頑張ってることくらい
分かってるのに。
「合気道部なんてこの世から消えればいい…」
「そこに当たるなよ」
「悠成なんてこの世から消えればいい…」
「俺かよ!そして怖いよ」
「あーあ。
せっかくチケット買ったのにもったいない」
「野ばら観に行ったら?」
「一人で?しかも、チケット一枚余っちゃうじゃん」
「…誰か誘えば」
「今日は優樹菜も早紀も部活で忙しいの」
悠成が、さすがに気分を害したように無口になった。
…言い過ぎた。

