女子たちが去ると、私は咳払いをした。 是永くんがこっちを向く。 私は正面を向いたまま、言った。 「是永くん」 「ん?」 「あのさ。…昨日のこと…」 「あー。チューのこと?」 くすくす笑う是永くんに、私は頬が赤くなるのを感じた。 やっぱり嫌な奴だ。