「早苗さん」 私の目の前に来たのは知らない男の人。 タレ目で目の下に泣きボクロ。 どことなく綺羅さんにソックリな人。 「僕の名前は八神沙羅。兄さんがお世話になりました」 そう、丁寧に挨拶すると私の手を握り私の瞳をまっすぐに見つめてきた。 「貴女に大切なお話があります」 「…え?」 その言葉を聞いて私の溢れ出ていた涙はピタリと止まった。