「で…一体僕達が来る間に兄さんは事故にでもあったの?」
「うっ…違う……ッレインが…」
「レインさんが?」
「違う!コイツが悪い!!」
「てゆうか……兄さんたちこれ着て」



沙羅は私たちにコートを手渡してくれた。



「うっー…温かい」
「兄さんたちいっつも薄着だからまさかと思って…もってきて正解だったみたいだねセシル」
「うん」
「で、斎藤なつめが潜伏(?)してる旅館は?」
「んー、こっから少し離れたところかな」
「そっか。」
「じゃあ一先ずひとっ飛びしますか。」
「ちょっ!!」


綺羅は私を抱きかかえるとそのまま空に飛び立った。


「私も自分でできるッ!!」
「いい、レインのぬくもりを感じてい―――」
「五月蠅い!!!!」


私は必至にもがいた。



「もー、そんなに暴れたら…事故でキスしちゃうかも??」
「…ッ」



ピタリと暴れるのをやめる。



「もぉ、兄さんたちイチャイチャしないでよね」
「ごめーん♪俺らラブラブだからさっ♪」



よく言うよ…、綺羅お前が強引にやっているんだろ?