「ほいほ~い」


いつも家だとそう言っているから、つい、出てしまった。

叔母さんの前にまず女王様だから、すぐにしまったと気付いたけど。


その時にはもう遅かった。


怒った笑みを浮かべた叔母さんが、あたしをジト目で見つめていた。

「・・・・・・柚葉ちゃん?言葉遣いは丁寧に。これもプリンセス体験よ」


「え”」

言葉遣いまでも?!
敬語だって疲れるのに!!


嫌な予感とともに、額から冷や汗がたらりと垂れる。


「ふふ、柚葉ちゃんがそんな言葉を使っているのなら、言葉の勉強から始めましょうか」


「えーーーーーーーーーーっ?!」

やだぁ!!

早くディナーを食べて寝ましょうって言ったのは、誰っ?!

鬼っ!!鬼畜!!悪魔~~~~~!


想像力が貧困なため良い悪口が浮かばなく、変な言葉しか思い浮かばなかった。


プリンセスって、こんな事もやってるのかな?!


嫌がるあたしに容赦せず、叔母さんはふっと笑った。

「この国の姫として、やってもらわなくちゃね。私が直々に教えるわ」


この国の姫って、あたし(仮)ですがっ!!

お腹減ったよぅ・・・・・・。


喚くあたしに構いもせず、あたしの為の言葉レッスンがスタートした。