そして、電車が止まった。 私の降りる駅。 開く扉とは反対のところに立っていたから、そこまで歩く。 扉まで行くのに、彼の横を通ることになる。 少しドキドキしながら、でも平然として彼の横を通り過ぎた。 彼は、私のことなんて気にしてないと思う。 私がいつも同じ電車同じ車両に乗っていることすら知らないと思う。 それでもいい。 毎日、彼を見られるだけでいい。