電車のカレ




そう、私の背後の扉が…



「きゃっ…!」



支えを失った体は無情にも倒れそうになる。


それに加え、降りてくる人の波も動き始める。



このままじゃ、倒れる!


そう思った瞬間だった。


ガシッと腕を掴まれ、体を引っ張られた。


そして、彼の胸の中に引き寄せられる。



電車の入り口付近でそんなことをしていたのだ。


当然、人の波に流され、電車の中から外へ押し出された。