「行ってきまーす!」 毎朝、同じ時間に家を出て、毎朝、同じ道を歩いて、毎朝、同じ電車に乗る。 そして、電車に乗って、ある駅で乗り込んでくるあなたを、毎朝見ている。 大きなスポーツバックを肩にかけて、中には教科書が入っているのかな。 それとも、部活の用意かな。 耳にはイヤホンをして、今日はどんな曲を聴いているのだろう。 その鋭い瞳は一体、どこを見ているのかと。 私はいつも思う。